管理人は子供のころから極度の花粉症で、「かんでもかんでも瞬時に製造される大量の鼻水」や「睡眠不足になるほどの鼻づまり」に悩まされてきました。
そのため毎年、花粉症の時期がくると恐怖に震え、「今年は去年の○倍の花粉が飛ぶ」といった予報に一喜一憂。
けどここ1年ほど、ちょっと生活スタイルを変えてみたら「アレ??春がそんなに辛くない。春って素晴らしいかも…!」と感じるほど変化がありまして。
そこで今回、花粉シーズンにフルマラソン大会に挑戦したところ、見事完走できました!!
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とはいえ、タイムは狙わず「参加できるだけでも幸せ」というスタンスでの挑戦。
やはり鼻の症状が伴うと記録を狙うのは難しいかもしれませんが、「参加できる大会の選択肢が増える」というのは、ものすごく可能性が広がった感覚です。
そこで、今回の記事では、同じような悩むを持つ花粉症ランナーさん向けに「管理人が取り組んだ花粉症対策&グッズ」や「レース中の持ち物」をまとめました。
医療関係者である管理人の全知識を総動員して予防から始め、レース当日の対策も万全になるよう考えぬいた結果です。
花粉症で大会出場をためらっていた人は、少しだけ世界が広がりますので、ぜひ次回の花粉症シーズン大会の参加を検討してみてください。
管理人は、今でも中等度の花粉症(レベル++)です。
けど、数年前まではものすごくひどくて、重度の花粉症(レベル+++)でした。これ、ランナーじゃなくても、ふつうに生活するレベルでけっこうヤバイんですよ。
現在の管理人は、花粉シーズンでなくても一年を通して気をつけるようにしているので、(レベル++)でおさまっているだけかもしれません。
気を抜いた生活が続くほど、元の症状に戻ってしまう可能性はあります。
そのため、「レース直前になってから予防を始める」という人にはあまり効果がないのかもしれませんが、直前でも何もしないよりはいいでしょう。
何カ月も前から準備することや、大会が近づいてきた段階で準備することがあります。
花粉症シーズンだけでもある程度効果はあるかもしれませんが、一年を通して地道に努力したらけっこう報われたので、ぜひ継続されることをオススメします!
花粉症がひどかった数年前と比べて、ふだんの生活でいちばん変わったことといえば「朝ヨーグルト」です。朝でなくても、1日1回はヨーグルト(または納豆などの発酵食品)を食べる習慣は大切だと思いますね。
なぜヨーグルトが良いのかというと、これはもはや有名だと思いますが「腸内環境が整うと、花粉症やアトピーなどの過剰なアレルギー反応が起こりにくくなる」という知見があるからです。
私たちの体には、外から侵入する細菌やウイルスなどの病原菌を撃退し、体を守る防御システムが備わっています。これが「免疫」です。免疫システムを担っているのは様々な免疫細胞ですが、腸は全身の免疫細胞の約7割が集まる、免疫のカギとなる臓器です。
そのため腸内環境がよい状態に保たれていないと腸の免疫機能が低下し、感染症などの病気にかかりやすくなります。また、腸内環境の乱れによって免疫機能に異常をきたすと、花粉症やアトピーなどのアレルギー性疾患や、リウマチなどの自己免疫疾患を引き起こしてしまうこともあります。
【大正製薬|「腸内環境の改善がカギ!免疫力を高める腸活」より】
ヨーグルトの効果は一朝一夕には得がたいものなので、これは地道に続けるしかなさそうです。
毎日ヨーグルトを買っても良いと思いますが、気兼ねなく毎日たくさん摂取するには「ヨーグルトメーカー」が便利でした!コスパがすごく良い!
最初にお気に入りの菌たちが入ったヨーグルトを買って、あとは無限に増やすだけです。最初だけなので、ここぞとばかりにお値段の高いヨーグルトも買えますしね(笑)
ヨーグルトメーカーの種類はなんでもいいと思います。いろいろ使いやすいのが出ています。
薬にも頼ったほうが賢明です。
症状が本格化していなくても、「くしゃみが出るようになった」「ちょっと目がかゆいかな?」と少しでも反応が見られた段階で薬を飲み始めるのがオススメです。
花粉などの季節性のアレルギー性鼻炎症状に使用する場合は、花粉飛散予測日から、又は、症状が出始めたら早めに服用を始めると効果的です。
管理人の感覚ですが、やはりメーカーが推奨するように、早めに飲み始めると効果が違うように感じます。
もし症状が出ていなくても、花粉が飛び始める1週間前には薬を飲み始めるのがベストでしょう。
昔は、花粉症の薬といえば「眠気や口渇が出るし飲みたくない」ものが多かったですが、近年の薬はけっこう改善されてきています。
効果が高いわりに眠気も出にくい薬もあるので、自分に合うものをドクターに処方してもらうのが良いでしょう。
市販の薬で症状がおさまる場合はドラッグストアで買ってもいいですが、医療機関でしか出してもらえない薬もあるので、症状がひどい人は最初から受診したほうが早いかもしれません。
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ちなみに耳鼻科はバレンタインデーを過ぎたあたりから急激に混み始めるので、2月の初旬までに受診したほうがよさそう。(内科とか普段受診しているところでも、お願いすればたいてい出してもらえるはず)
ドクターも忙しいしテレパシーが通じるわけじゃないので、「しっかりと自分の希望を伝える」ことが大切です。
「2ヶ月分欲しい」「症状がひどいので、点鼻薬も出してほしい」「眠くなりにくいけど効果も高いものが良い」など、ハッキリ伝えないと「2週間分しかもらえなかった…」「飲み薬はもらえたけど、点鼻薬がなかった…」ということになりかねません。
ちなみにかゆみ止めの点眼にもいろいろ種類がありまして、コンタクトレンズをしている人は、その旨を伝えたほうがいいです。コンタクトレンズの上から使える点眼もありますので。
【参考:管理人の使っている薬】
◦1日2回の薬2種◦小青竜湯(比較的即効性のある漢方)◦点鼻薬◦点眼(コンタクトレンズ可)
※1日2回の薬だと、症状がひどくないときは1日1回にしたりなど、調整しやすいですよ。
糖質(ごはんやパン、お菓子等)を摂取して、血糖値が急に上がったり下がったりすると、免疫機能が乱れてアレルギー症状が悪化します。
それ以外ではやはり糖質制限が有効だと思います。糖質摂取から引き起こされる血糖値の乱高下によりコルチゾールが浪費されることがアレルギー症状悪化に繋がるからです。花粉などの異物に対する防御能力が下がるわけですね。糖質制限の基本は空腹時に摂らないこと。全てを禁止しようと思うとなかなかのストレスになりますし、却って不調を招くこともあります。とにかく食事や間食の最初に糖を食べないことです。
一年を通して実行することは無理でも、管理人は花粉が飛び始める1ヶ月くらい前から炭水化物(≒糖質)を控えめにしました。
具体的には、
◦お菓子の間食は控える(たまにご褒美はOK。糖質を抑えたデザートもヨシとしとく)
◦ごはんやパンを食べ過ぎない。むしろ減らしておかずを多めにする
というところでしょうか。
また、食事は野菜から摂取すると血糖値が上がりにくいのでオススメ。
お菓子が食べたくなったら、チーズやソーセージなどのおつまみで置き換えるというのも手です。
また、糖質というのは、摂りすぎると血管を傷つけてしまうということも分かっています。
その最たるものが、末期の糖尿病患者さんで見られる「手足が壊死する」という症状です。
糖尿病でなくても、糖質の摂りすぎは「老けやすい」というデータがあるのでコワイですね(笑)
アレルギーと糖質については、栄養療法の権威である溝口先生の本を読むと意識が変わります。
「すぐにお菓子に手が伸びてしまう」「お菓子を食べるのが習慣になっている」というような、決意が弱い人にオススメ。
(けど、私は過度の糖質制限はあまりオススメしない)
管理人は、一年を通して各種ビタミンを摂取していますが、大会1カ月前からは「じゃばら」の錠剤も摂っていました。
以前、テレビで「じゃばら(和歌山県発祥の柑橘類)を食べている地方の人に花粉症の人はいない」というのをやっていたからです。
じゃばらに含まれる「ナリルチン」という成分が、アレルギー症状を抑制する効果があるそうですよ。
ふだんからマスクをして花粉を吸いこまないようにすることは、基本中の基本です。
アレルギー反応を抑えるため、最も大切でイチバン最初に取るべき予防策は、「アレルギー物質に暴露しないこと」だからです。
これは、どんなアレルギー症状に対しても同じ。
当たり前ですが、「スギ花粉による花粉症の人は、スギ花粉に曝露しなければ発症しない」という、シンプルだけど大事な方法です。
だから、花粉が飛び始めたらマスクをしましょう。マスクってうっとおしいけど、確かに効果的なもの。
ふだんの練習から、できるだけ花粉に曝露しない対策が重要です。
走るときはマスクなしでも、できるだけ花粉を防げるように工夫しました。
シンプルに、目を覆って花粉の曝露を減らしましょう。
以下のように、ふつうのサングラスでも効果はありそうです。
<メガネ>
実験では通常のメガネでも、メガネを使用しない場合に比べて眼に入る花粉量はおよそ40%減少し、防御カバーのついた花粉症用のメガネではおよそ65%も減少します。
ランニング用のサングラスは二、三千円~売っていますので、夏に使うことも考えてUVカットのものを選ぶと良さそうです。
ふだん帽子をかぶらない人も少しでも花粉の付着を防ぐために、帽子が有効です。
花粉の付着を防ぐスプレーで、走る前に頭から足まで全身をスプレーして走りました。
管理人は、衣料用と顔用と分けて使っていました。
鼻から入る花粉を、鼻の入り口でキャッチするという仕組みです。
練習前に、欠かさず塗ります。
午前中や夜間は比較的花粉が少なく、走りやすくなる時間帯です。やっぱり日中は花粉が飛びやすいので、避けて走っていました。
さらに詳しく知るためには、お天気アプリ(Yahoo!天気を使っています)が便利です。
住んでいる地域の花粉の動きをチェックしながら、走る時間帯を決められます。
走る場所も、あまり花粉が飛ばないようなコースを設定するといいでしょう。
すぐに全身の花粉を洗い流してしまいましょう。
着ていたものも、すぐに洗濯機へ。
ちなみに、花粉の付着を防ぐ柔軟剤もあるので試してみるといいかも。
直前でいちばん悩んだのは、「カーボローディング」と「糖質制限」のジレンマです。
やっぱりエネルギーがないとフルマラソンは走れないので「3日前から意識して炭水化物を摂る」のか、今回は見送って「花粉症状予防のために炭水化物を控える」のか…。
「花粉症対策グッズを充実させて走る」か、「タイムや完走のためにできるだけ軽量化する」か、これもまた悩みどころ。
けど、走っている最中って交感神経が優位になるから、意外に症状は出にくくなるんですよね。
だから、原理的にはスタート直前まで症状が抑えられていればOKってことなので、荷物は軽量化することにしました。
結局、花粉症対策に持って走ったのは、
◦使い捨てマスク
◦小さいポケットティッシュ1個
◦抗アレルギー薬
◦小青竜湯
コレだけでした。
後で記述していますが、給水ならぬ「給ティッシュ」のお恵みもあったので、実際には何も使わずに済みました。
スタート直前までほとんど症状を抑えられていたから、走っている最中は楽でした。
なにより、コロナ禍でマラソン大会がほぼ中止となるなか、久しぶりに大きな大会に参加できる喜びが大きかったです。だから、花粉どころではなかったというのもあるかもしれません(笑)
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ちなみに、今回エントリーした「2021年 名古屋ウィメンズマラソン」は、「スギ花粉は例年並み(名古屋)」「ほぼ一日を通して強めの風が吹いていた」ことを付け加えておきます。【参考:tenki.jp 2021年 春の花粉飛散予測(第4報)】
けど、走り終わってゴール後は副交感神経が優位になるので、主に目のかゆみに苦しみました。鼻水もちょっと辛かったです。
そもそも「参加すること」「完走ティファニーをゲットすること」が目標だったので、タイムは狙わずファンランに徹しました。
けど、ほとんど症状なく走れていたから、タイムを狙っても良かったかな?とは思います。
コロナ対策で、ランナーはもれなく事前に健康チェックを済ませないといけませんでした。
コロナといえば「風邪症状」に当たるものが要チェック項目になるんですが、「じゃあ、鼻水出てたら花粉症の人、参加できへんやん!」ってことにはならないのでご安心ください(笑)
ちゃんと、「鼻水や鼻づまりの症状」では「アレルギーを除く」と明記してありました。
さらに、花粉症ランナーのために「給ティッシュ」の存在も確認出来ました。何ヵ所もたくさんあるワケではないけど、ありがたいことこの上ない。
管理人は今までずっと、早春のマラソン大会を避けて生きてきました。
「鼻や目の症状を気にしながら42.195kmも走るなんて、無理ゲーや」「拷問以外の何物でもない」と思っていたからです。
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けど2020年の夏の終わり、コロナ禍でマラソン大会が次々と中止になるなか「出られる大会なら何でも出たい」ガッツと「完走ティファニーが欲しい」というよこしまな理由から、『名古屋ウィメンズマラソン』にエントリーしよう!という選択に至ったのでした。
名古屋ウィメンズマラソンといえば、花粉症ランナーが思わずためらってしまう花粉シーズン真っただ中のどピーク「3月初旬の大会」です。(大会開催地である名古屋のピークシーズン)
けれど、これまでお伝えしてきたように今年は何カ月も前から徹底した花粉症対策をしていたため、無事完走することが出来ました。
いちおう管理人は1年前から花粉症対策を始めましたが、エントリーが9月なので、そこから始めても決して遅くはないと思います!
備えていれば、報われるはずです!
これまで春の大会をためらっていた花粉症ランナーさんも、しっかり花粉症対策して、まずはファンランから始めてみませんか?