【南大東島⑧】珍味「インガンダルマ」と「ナワキリ」をいただく!「夕日の広場」でサンセットも見たい~南大東島旅行記~(夕日と珍味の章)

 

星野洞を後にすると、もうすぐ夕日の時刻。夕日を眺めてから、大東島の珍味をいただくことにしよう!

 

南大東島の夕日

「夕日の広場」へ向かう

星野洞をあとにし、原チャで「夕日の広場」なる場所へと向かう。「夕日の広場」は星野洞から少し西に行ったところ。数分で行ける近い場所だ。日の入りは17:45ごろ。沈む瞬間も見たいから、早めに到着したい。
大きい看板があるのですぐに分かった。
その名のとおり、広場になっていた。バイクを停めて、たそがれよう。
もう、こんなに影が長い。日没は近い。

島では、夕日をゆっくり眺める時間をつくろう

日が沈むまであと少し。
広場の先まで行くと、海が見えた。なんか、どこかの国の城壁みたい。
絶海の孤島に高い波が打ち付ける。ときおり、岩を乗り越えて波しぶきが上がってくる。
いよいよ沈むころになると、一気に周りが赤く、薄暗くなる。
太陽一個分進むのに、約3分だったっけ。沈む間際は、太陽の動きが早く感じる。
沈む瞬間、周りは黄金の赤一色に染まる。周りには何もない、邪魔するものはない、ただ眺めるだけの夕日。夕日を見るためだけに過ごす贅沢な時間。
夕日を見ている間にも、ドカーンと波が打ち寄せる音が聞こえる。こんなに波しぶきが立っているが、シケているわけではなく、これで通常運転だというから南大東島の自然はすごい。
いよいよ日没。今日のように、沖縄に来たら、できるだけゆっくりと夕日を眺める時間を作るようにしている。
ただ、絶海の孤島で日が沈むというのはなんとなく心細い気分。これだけ周りと離れた場所にいると思うと、意味不明の孤独感と不安感がこみあげてくる。
完全に夜になってしまえば、「イエーイ!夜の島を楽しむぞ!」って感じで、なんてことないんだけどね。
大自然の壮大なショーが終わる。
なんとなくさみしい感じになった広場。10月終わりの、秋の夕日だった。見て良かった。

南大東島で、これだけは食べておきたい!

さて、おまちかねの南大東島名物!

「インガンダルマ」を食べておきたい

さて、集落に戻ると夜も更けてきたので、さっそく夕食に向かう。

島に来た目的の一つとして、「インガンダルマ」だけは食しておきたいと思っていた。

「インガンダルマ(単にダルマと呼ぶこともある)」とは、深海魚である「バラムツ」や「アブラソコムツ」のことをさす地方名だ。

Oilfish.jpg
Wikipediaより引用

 

こんな凶悪な顔をした深海魚で、大きさは1.5m~最大で3mにもなるという。

その身は油ギッシュで、油ギッシュ過ぎて、食べた人はおしりからそのまま油が漏れてくるほどだというからよっぽどのものだと思う。油と言うより、人間には消化できないワックス(蝋)が含まれる。「インガンダルマ」という名前も、「イン(犬)のおしりから油が垂れる」という意味の言葉が語源だともいう。知らんけど。

だが、その脂身がサイコーに美味いとのレビューもある。そんなに美味しいものだから、尻から油を垂れ流すチャレンジャーが絶えないのだろう。

だから、地元ではルールが決まっているというではないか。

「3切れまで」

それ以上食べると翌日おしりから油が漏れるのだ。それどころか、食べ過ぎてワックスが身体にたまってしまうと、最悪、死亡してしまうこともある。

そんな魚だから、ふつうは流通していない。

そのため、これが食べたいと思うのなら地元の方にどうすれば食べられるか聞いて、すべて自己責任で、ルールを守っていただくのが良いと思う。

調子に乗って禁忌の「3切れルール」を犯すことはもってのほかだ。自分だけならいいが、地元に迷惑がかかる。だからここにはどこで食べたかは書かない。ツテで食べたとだけ書いておく。南大東島の食文化は、今のままであり続けてほしい。

あと、自分のおしりも守りたいよね。

そんな感じ。そして、実際、目の前に「インガンダルマ」が出てきた。

それは白い物体だった。魚のお造りというよりは、プラスチックのような質感を思わせる。すだちをふりかけ、まずはひと切れ、いただく。

その感想は・・・

「新しい食べもの!」
美味しいかまずいかというよりも「新しい食べ物」という印象が第一であった。この年齢になって、新しい食べもののカテゴリーが増えた。「麺類」「パン類」「サラダ」「肉料理」「魚料理」etc. 、、、そして「インガンダルマ」。
通常は「魚」の部類に入りそうだが、自分のなかで、どこにも分類されないのだ。まったくもって新しいジャンルが開拓された気がする。

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あまり魚を食べている感じがない。脂っこいというより、それを通り越して本当にワックスとか蝋といった感じ。
醤油をかけてもはじいてしまい、まったく身にしみていかない。魚臭さもない。
大トロとも全く違う食感だ。やわらかくてツルンとしたプラスチックみたいな。あと、ほとんど味がない。
腹がもたれるため大トロがそう何切れも食べられるものではないのと同様、まあ、3切れも食べれば十分だった。いろんな人が言っているほど、脂っこくて美味しいという感想は持てなかったが、ふつうには美味しかったかな。
やはり、南大東島に訪れたときは間違いなく口にしたい珍味だ。しかし、明日のおしりの状態を気にしつつだが..。

「ナワキリ」も食べておきたい

ここ南大東島で、インガンダルマとセットで食べたいものが「ナワキリ」だ。

「ナワキリ」も同様に深海魚で、正式名称は「クロシビカマス」という。アゴが丈夫で、縄を切ってしまうほどの鋭い歯が特徴であるために、「ナワキリ」と呼ばれているらしい。知らんけど。

Roudi escolar ( Promethichthys prometheus ).jpg
Wikipediaより引用

ほとんど流通せず、食用としている地域は少ない。大東島では高級魚として重宝されている。
その「ナワキリ」がこちら。
脂がのっていて美味しそうだ。見た目はふつうの魚と変わりなさそうだ。
食べるときには、鋭い骨が多いから気をつけてくださいねー、と言われた。
食べた。
う、うまい!
めっちゃ脂ののったサバのような食感。なじみやすい味だった。確かに骨に気をつけないといけないが、気をつけて取り除けば大丈夫。
やはり、「ナワキリ」も絶対に大東島で食べておきたい珍味だった。
泡盛を飲んでお腹もいっぱいになると、ごちそうさまをして出てきた。
そういえば宿は素泊まりだった。商店で明日の朝ごはんを購入しておこう。
沖縄の島の商店の雰囲気が大好き。趣深い。品ぞろえバッチリ。
イケてるなぁ~。
飲み物の種類も多くて困らない。
商店には、島の情報が集まっている。張り紙のお知らせって、温かくて良いもんやね。
商店を出ると、まだ温かい大東島の夜風に当たって酔いを醒ましながら宿へと戻る。
あ!そういえば、明日のおしりは大丈夫なの?
おしりがインガンダルマになりませんように。結果は【南大東島⑩】にて。

【南大東島⑨】(民宿きらく家の章)へ続く。

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